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NPO法人の義務

特定非営利法人(NPO)を設立することにより、法人名義の銀行口座の開設契や約などNPO法人主体の法律行為が可能になりますが、こうした法的権利を有するNPO法人は当然、義務も負うことになります。そこで以下では、NPO法人が果たさなければならない一般的な義務について、解説していきます。異なる義務同士でも、それぞれ関連している部分もありますので、順を追って確認してください。

NPO法人の一般的な義務

法に沿った運営をする義務

まずは、法に沿った運営をする義務です。そもそもNPO法人は特定営利活動促進法(NPO法)に基づいて法人格を認められた法的主体で、同法の中でNPO法人が踏まえなければならない事柄が定められています。NPOの活動でももちろん、これらの要件は守られなければならず、法に抵触しない運営が求められます。

 
例えば、NPO法では、年に1回は社員総会を開催しなければならないと定められています。具体的には、第14条2項で「理事は、少なくとも毎年一回、通常社員総会を開かなければならない。」とされており、こうした法律の定めに従ってNPOを運営することが最初の義務だといえるでしょう。ほかにも、NPOには理事を3人以上置かなければならないことなども定められていますが、この点は基本的にはNPO法人の設立に関わってくるものでもあります。そちらを併せて参照するといいでしょう。

 

納税の義務

二つ目は納税の義務です。ここでは簡単にまとめますが、法的な主体として認められたNPO法人も当然、個人事業主や株式会社などの営利企業と同様に税金を納めなければなりません。この納税の義務が日本国憲法30条に「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と定められていることは、読者のみなさんもご存じのことでしょう。また、租税の種類としては、法人住民税や、収益事業による収入に対して課される所得税など基本的な税金もNPO法人は納めなければなりません。

 
ただし、本来的に営利活動を行わないとされるNPO法人では、収益事業を行わない場合には、税金の減免制度がありますので、活用をお勧めします。

 

NPO法人特有の義務

最後に情報公開を行う義務です。NPO法人はその活動を通じて「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与すること(NPO法第二条)」を求められることから、自身の活動についても情報公開を行わなければなりません。この情報公開の義務は、主にNPO法第10、28、29条で定められているものです。

 
では、その情報公開はどのように行えばいいのでしょうか。この点についてNPO法においては、概ね次のように定められています。

 

NPO法人の情報公開

まず、NPO法人の情報公開には、特定の書類の公開が求められます。利害関係者(ステークホルダー)から請求があれば、原則的に、NPO法人はこれらの書類を公開しなければなりません(NPO法第28条2項)。ここで言うステークホルダーとは、社員や債権者と併せて、保証人や取引関係者、損害賠償請求権を有する者のことです。
加えて、同様の書類を所轄庁に提出し、一般市民が閲覧できるようにもしておかなければなりません(NPO法第29条2項)。こうした書類が提出されなかった場合には、罰金が科せられることになりますので、きちんと提出するようにすることを強くお勧めします。

 

NPO法人の情報公開対策

具体的にどうした対策が必要なのか、みてみましょう。この情報公開義務を果たすために、NPO法人は事業年度毎に事業報告書等を作成し、主な事業所に持っておかなければなりません。さらに、この際、同じ書類が所轄庁に提出することも必要です。提出された書類が県庁などの役所で一般に公開されるからです。

 
NPO法の条文では、第28条1項で「特定非営利活動法人は、毎事業年度初めの三月以内に……前事業年度の事業報告書、計算書類及び財産目録並びに年間役員名簿……を作成し、これらを、翌々事業年度の末日までの間、その事務所に備え置かなければならない。」としています。

 
同条の2項以下でも、「特定非営利活動法人は……役員名簿並びに定款等を、その事務所に備え置かなければならない。」あるいは、「特定非営利活動法人は、その社員その他の利害関係人から次に掲げる書類の閲覧の請求があった場合には、正当な理由がある場合を除いて、これを閲覧させなければならない。」と同様の義務が改めて明記されています。

 
さらに、第29条で「特定非営利活動法人は、都道府県又は指定都市の条例で定めるところにより、毎事業年度一回、事業報告書等を所轄庁に提出しなければならない。」と官庁への書類の提出が義務付けられています。

 
これらの開示しなければならない書類の種類についてもしっかりと定められています。具体的には、(1)事業報告書等(2)役員名簿等(3)定款等となります。それぞれ説明すれば、事業保酷暑等とは、善事業年度の事業報告書に加えて、財産目録、貸借対照表、収支計算書の3点を合わせたものをいいます。これらの書類は毎年度の最初の3カ月の内に作成し、翌々事業年度の終わりまで、事務所に備え置いておかなければなりません。

 

役員名簿

次に、役員名簿ですが、NPO法第10条2項で定められた「役員の氏名及び住所又は居所並びに各役員についての報酬の有無を記載した名簿」も毎年度初3カ月以内に作成し、事業報告書等と同じ期間にわたって事務所に備えておかなければなりません。

 

定款

最後に定款等ですが、この中には定款と認証通知書、登記簿謄本が含まれ、これらは基本的に常時、事務所に備えておかなければなりません。定款の変更が行われた場合の新しい定款をいつから事務所に備え置き、公開するのかについての明文規定はNPO法にもありませんが、最新の定款を閲覧に供することが当然だと、解されています。ですので、NPO法人の事務所で閲覧に供する定款は常に、最新のものにしておくよう心がけるのがいいでしょう。

 
既に述べた通り、これらの書類については所轄庁にも提出される必要があります。事業報告書等、役員名簿等、定款等それぞれ2部ずつ、毎事業年度初3カ月以内に所轄庁に提出しなければなりません。これら所轄庁に提出された書類が、事業報告書等・役員名簿等で提出後3年間、定款については常時、一般の閲覧に供されることになります。

 
以上、NPO法人の義務をそれぞれ解説してきましたが、これらは最低限やっておかなければならないことです。ただ、義務を果たしていれば、NPO法人の本来の活動に支障が出ることも少ないでしょう。これらの義務をきっちりと果たしてさらに、設立するNPO法人を設立する本来の目的となる活動にも集中できるでしょう。